生物多様性条約第17回締約国会議(CBD COP17)の会場は、主にブルーゾーンとグリーンゾーンに分かれています。ブルーゾーンでは各国政府による交渉や公式会合が行われる一方、グリーンゾーンは一般の方も入場できるエリアです。
グリーンゾーンには、アルメニアの文化や自然環境、地域産業などを紹介するさまざまなブースが並んでいました。
会場を歩いていると、出展者の方々が声をかけてくださり、地域の特産品や自然について説明したり、試食を振る舞ったりしてくださいました。
今回は、そんなグリーンゾーンで出会ったアルメニアの自然と暮らしについて紹介します。
アルメニアのはちみつと養蜂業
あるブースでは、家族で養蜂業を営んでいるという女性とお話ししました。家族経営ながら大きな養蜂場を運営しており、現在は海外への輸出にも力を入れているそうです。
アルメニアでは、養蜂は地域の自然資源を生かした産業の一つです。山岳地帯が多く、多様な植物が生育するアルメニアでは、さまざまな花の蜜を利用したはちみつが生産されています。
また、ミツバチは植物の受粉にも関わっており、養蜂は地域の植生や生物多様性ともつながっています。
私ははちみつが好きで毎日食べていて、アルメニアのはちみつはまろやかで、とてもおいしかったです。

地域の植物を活用した大学の取り組み
大学のブースでは、地域の植物を利用したお茶や天然の着色料の開発について紹介していただきました。
いただいたお茶は、ニワトコ属(Sambucus)の花と果実を原料としたものでした。
ニワトコ属の植物はヨーロッパやアジアなどに広く分布し、花や果実は古くから飲料や食品などに利用されてきました。また、果実にはアントシアニンという天然色素が含まれており、食品の着色などにも活用されています。
実際にいただいたお茶は独特な風味があり、普段飲んでいるお茶とは異なる味わいでした。
アルメニアの森林
森林に関するブースでは、FORACCA(Forest Restoration and Climate Change in Armenia)の方とお話ししました。その中で、アルメニアの森林率は約11%だと聞き、驚きました。日本の森林率が約67%であることを考えると、大きな違いがあります。
アルメニアは山岳地帯が多い国ですが、森林は主に北部や南部の山岳地域に分布しています。ブースでは、岩が多く土壌が薄い場所もあり、樹木の生育が難しいというお話も伺いました。
また、アルメニアでは土地の劣化や気候変動への対応も課題となっています。
FORACCAは、こうした課題に対して、森林再生や持続可能な森林管理を支援するプロジェクトです。スイスの研究機関やアルメニアのNGOなどが協力し、植林や森林のモニタリング、地域住民と連携した森林再生などに取り組んでいます。
特に、衛星データを用いた植生の調査や、気候変動の予測を森林管理に活用する取り組みも進められています。
FORACCAサイト(Forest Restoration and Climate Change in Armenia)

エレバンの街で感じた自然と暮らし
エレバンの街には、多くの街路樹が植えられ、公園にも緑が広がっています。秋には木々が色づき、様々な鳥たちの姿も見られます。
日本とは異なる植生や景観の中で、季節の移ろいや生き物たちの存在を身近に感じることができます。また、公園でくつろいだり、木々の下でゆっくりと時間を過ごしたりする人々の姿も印象的でした。
グリーンゾーンでの交流や街歩きを通じて、アルメニアの自然や文化、そして人々の魅力をたくさん知ることができました。知れば知るほど興味がわき、もっとアルメニアのさまざまな地域を訪れてみたくなりました。
九州大学・国際森林学生団体IFSAQ
清水 万愛























