世界的に見て日本の企業がTNFDを多く公開していることを初めて知り、とても驚きました。日本の中で商品を買う時に「自然優しい」と明示されたものは多くない印象があり、自然を守ることを意識した企業はまだ少ないのではないかと思っていたからです。
しかし、本会議ではどのように現在の経営が自然に即しているかを示せるかに焦点を置いた発言や取り組みが多く紹介されていて、どちらかと言えば自然保全に企業は後ろ向き、と思い込んでいた認識が変わりました。
各メインセッションでは、実際に活動企業の方の取り組みが紹介されていました。金融・投資という自然資本を普及する分野からだけでなく、飲料メーカー、小売業からのお話を伺えて、自分が日々目にする企業の見方が変わりました。印象的だったのは小売業の声で、サプライチェーンの上流(Tier2・3)の調達については追えない、というお話があったことです。私たちが日々購入する商品は何段階もの企業を渡って商品になっていると再認識し、世界全体で協調して取り組むレギュレーションの大切さを強く感じました。また、消費者としては商品選びの際に、できれば原材料の生産まで確認できるものを選べたらいいのでしょうが、そんな生き方は難しすぎてできないな、とも思ってしまいました。

サミットのメインホールでの話は、企業の経営を判断するような立場の人が聞けば行動に移しやすい事柄だったかもしれませんが、参加した多くの人は企業の1社員や個人であり、個人として取り組めることはあまり持ち帰れなかった印象です。個人的には、個人としての在り方を日本の中でどう変容していけるかというような発信も増えてほしいと思いました。
NATURE TECH!のブースも興味深かったです。こちらもメインホール同様に企業向けのネイチャーポジティブ研修や保険等の商材展示が多くはありましたが、どの企業もターゲットにしている取り組みに独自性があり、強みと生物多様性の繋げ方を学べました。

個人的には農業に関心があることもあり、サントリーホールディングスの冬水田んぼの取り組みに惹かれました。動植物といった生命あるものに関心が向きがちでしたが、生命を支える水の涵養によって生態系を支えることができると知り、自然保全の捉え方が広がりました。
また、戸建て住宅に木を植える取り組みが様々なメーカーさんで取り組まれていることを知り、落ち葉などの負の側面を厭う価値観が少しずつ変容してきていると感じました。
医療分野でも、プラネタリーヘルスという考えが広まり始めているとの展示もありました。自然損失が人の健康に影響していることが一つの学問分野になっていることに驚くと同時に、新たな分野からの切り口が増えたことに前進を感じました。
得た成果をどのように活かしていくか
全体を通して、リーダーシップは一人一人の心の中に生み出せるのだと強く思える機会となりました。また、企業が得意分野で取り組みを広めるように、個人としても「生物多様性のこの取り組みは大事にする」と、一つ決めて行動してみるのでも良いのかもしれないと感じました。
このような国際的なサミット・会議への参加は初めてでしたが、自分は場違いかもしれないと思わず、まずは参加してみることも大事だと思いました。参加するだけでも感じることが多くあると気づきましたし、感じた点から裏返して自分の想いにも気が付くことができました。また、様々な話を伺うことで、学びを深める必要も強く感じました。
日々の中で学ぶ時間を取って、自分の生活にネイチャーポジティブな様式を一つずつ取り入れていきたいです。
一般社団法人Change Our Next Decade
大塚文恵























