SBI7の3日目は、プレナリーで残る議題のファーストリーディングを進める一方、各コンタクトグループでは条文レベルの交渉が本格化しました。会議全体としても、プレナリーで各国の基本的な立場を表明する段階から、コンタクトグループで具体的な文言を一つずつ精査する段階へと移行し始めています。
プレナリーでは全議題のファーストリーディングを終了
午前のプレナリーでは、以下の議題について審議が行われました。
- 合成生物学
- 地方自治体・準国家政府の参画
- クリアリングハウスメカニズム(CHM)
- コミュニケーション、教育及び普及啓発(CEPA)
これにより、多くの主要議題でプレナリーでのファーストリーディングがおおむね終了し、それぞれの詳細な交渉はコンタクトグループへと引き継がれることになりました。
午後のプレナリーでは、残されていた条約予算について約1時間審議が行われ、その後、この議題についてもコンタクトグループが設置されました。これにより、SBI7で扱われる主要な政策・実施課題の多くが、コンタクトグループで並行して交渉される体制となりました。
主流化では実装の具体策を巡る議論が本格化
16時から19時にかけては、「生物多様性の主流化(Mainstreaming)」と「デジタル配列情報(DSI)」のコンタクトグループが開催されました。
主流化のコンタクトグループでは、各国が提出した修正文案をもとに、一文ずつ具体的な文言を精査する交渉が始まりました。現時点では主流化の必要性そのものよりも、「どこまで踏み込んだ実施内容を書くか」が大きな論点となっています。
主な議論は次のような点に集中しました。
- IPBESの成果をどのように本文に位置付けるか
- GBF実施の課題として「意欲度(Ambition)」という概念に言及するか
- 主体の記述について、「政府以外の主体」と包括的に表現するか、それともIPLC、ユース、企業・金融セクターなどを具体的に列挙するか
- 企業活動における自然への依存・影響・リスク・機会に関する記述をどこまで盛り込むか(各国で企業の情報開示制度が異なることも背景にある)
- 生物多様性に悪影響を及ぼす補助金の改革・撤廃をどの程度明確に位置付けるか
- セクターごとの「移行(Transition)計画」という新たな考え方まで踏み込むか
一方で、本文後半にあるCBD事務局への要請事項まで議論は到達せず、次回のコンタクトグループで引き続き検討される見込みです。
夜もコンタクトグループが続く
19時30分から22時にかけては、**計画・モニタリング・報告・レビュー(PMRR)**のコンタクトグループが開催されました。
SBI7はここから、複数のコンタクトグループが同時並行で開催される本格的な交渉フェーズへ入りました。今後は、プレナリーでの議論よりも、コンタクトグループでどのような文言の妥協が形成されるかが、COP17に送られる勧告の内容を左右する重要なポイントとなります。特に主流化、資源動員、能力構築、PMRRなど、GBFの実施を支える議題では、今後数日にわたり集中的な条文交渉が続く見込みです。
国際自然保護連合日本委員会
会長 道家哲平
























