SBI7の2日目は、実施支援に関する主要議題のファーストリーディングが進められました。午前のプレナリーでは、議題4(b)「資金メカニズム(Financial Mechanism)」、議題10「能力構築・能力開発及び技術・科学協力(Capacity-building and Technical and Scientific Cooperation)」、議題12「生物多様性の主流化(Mainstreaming of Biodiversity)」の審議が開始されました。

各議題では締約国やオブザーバーから全般的な意見表明が行われた後、詳細な条文交渉を行うため、それぞれコンタクトグループの設置が決定されました。SBIではプレナリーで全体的な方向性を確認した上で、具体的な文言調整はコンタクトグループで集中的に進めるという進行が続いています。

生物多様性の主流化では「実装方法」が最大の論点に

午後のプレナリーでは、引き続き議題12「生物多様性の主流化」が議論されました。

全体を通じて、「生物多様性の主流化を進めるべき」という方向性そのものに大きな異論はなく、交渉の焦点は理念ではなく、どのように実装するかに置かれている印象でした。

各国・関係機関からは、例えば次のような論点が提起されました。

  • 「保全」だけでなく持続可能な利用を主流化の中でより明確に位置付けること
  • 企業・金融セクターの役割への言及を強化すること
  • 実施を支える能力構築や資金支援を充実させること
  • 先住民族・地域社会(IPLCs)の権利、自由意思による事前の十分な情報に基づく同意(FPIC)、データ主権など、人権に関する要素を適切に位置付けること
  • 新たな報告義務や制度を増やすのではなく、既存の仕組みを活用して効率的に実施すること

など、多様な視点から意見が示されました。

議長は、この議題についてメキシコとカナダを共同議長とするコンタクトグループの設置を宣言しました。また、共同議長が作成する**ノンペーパー(Non-paper)**を基礎として、今後は条文レベルで集中的な精査を行うよう各国に求めました。

カルタヘナ議定書・名古屋議定書の評価も進展

その後のプレナリーでは、

  • 議題6 カルタヘナ議定書の有効性評価では、コンタクトグループでの議論を踏まえた**CRP(Conference Room Paper)**が作成され、交渉が前進しました。
  • 議題7 名古屋議定書の有効性評価についても審議が行われました。
  • 続いて議題8 合成生物学に関する事務局からの説明が行われ、この日のプレナリーは終了しました。

夜は能力構築と資源動員の交渉へ

夜には、プレナリーで設置が決定された

  • 能力構築・能力開発
  • 資源動員・資金メカニズム

のコンタクトグループが開催され、COP17に向けた実質的な文言交渉が本格的に始まりました。これらの議題は、昆明・モントリオール生物多様性枠組(KMGBF)の実施を支える「実施手段(Means of Implementation)」の中核を担うことから、今後も各国の立場の違いが現れる重要な交渉となる見込みです。


国際自然保護連合日本委員会

会長 道家哲平