いつもご支援ありがとうございます。IUCN-J事務局長の道家哲平です。2023年の一年間も、皆様からのご支援で活動を推進することができました。

 

現在、IUCN-Jの活動をより力強いものにするために、継続的なご支援をお願いしております。2024年1月末までに継続寄付をしてくださったサポーターの方には、先着50名にIUCN-Jのロゴステッカーをプレゼントするキャンペーンも実施中です。

この記事では、いただいたご支援をどのように活かし活動したか、2023年の動きをご紹介します。

ネイチャーポジティブを日本に伝える

2022年12月にカナダのモントリオールで開催された生物多様性条約第15回締約国会合が、難航した交渉の末に、「昆明―モントリオール生物多様性世界枠組み(GBF)」を合意した10日後に、2023年が始まりました。

日中韓三か国会合で日本委員会の取組を発表

帰国した2日後には、早速この合意の重要性を解説する講演を行っていましたが、私自身だけでも40回近く様々なプレゼン・講演、4件の雑誌等への寄稿や、2件のテレビ・ラジオの取材対応を2023年こなしました。IUCNメンバーにおいてもGBFの重要性の普及啓発、ネイチャーポジティブをめざす取組みやシンポジウム等が企画され、実施されるなど、精力的に取り組んだ1年でした。

世界で加速するネイチャーポジティブ実施策の把握

2023年、世界では、GBFや2030年ミッションである生物多様性の損失を止め、回復へと転じるという、いわゆるネイチャーポジティブをどう実現するかという実施のための提案や検討が加速しました。

OECM専門家グループ委員として、インドの会合に参加

IUCN-J事務局長として、4月にインドで開催された、アジアにおける30by30推進(GBF行動目標3)のための専門家会合にOECM(自然共生サイト)の専門家として参加しました。9月には、IUCN英国委員会の執行理事クリス・マホンさんに協力してもらい、英国における環境農業政策の現状と課題を学びに行きました。

日本参加者向けに会場で助言しながら、参加

10月には、IUCNリーダーズフォーラムと、生物多様性条約第25回科学技術助言補助機関会合に参加するため、スイスーケニアと2つの国を移動する出張となりました。11月には、東アジア3か国の連携を話し合う会合のために韓国に出張しています。一部の国際会議には、将来世代の意義ある参画(GBF行動目標22)を実践するために、事前勉強を10回開催した上で、大学生や若手社会人の方と一緒に参加してきました。皆様からのIUCN-Jへのご支援によって実現した取組みです。

これらの国際会議では、実施のためのガイダンス(例えば、世界生物種行動計画)、実施に寄与する企業や金融機関による情報開示枠組み(自然関連財務情報タスクフォース開示提言)、実施のノウハウ共有のためのネットワーク(G7ANPE)、GBF実施のための基金(GBFファンド)などが生まれました。COP15交渉に関わったリーダーとなる団体によるイニシアティブ(最初の一歩を切り開く取組み、という意味です)が多く、2024年は、実施の担い手をさらに広げることが鍵となります。

Toward Nature Positive IUCN-J自身の変革

GBFの4年に渡る全交渉会議に参加していた私たちは、これまでの延長ではなく、ネイチャーポジティブに向けて、NGO自身も変革への移行を求められていることを感じています。

IUCN-Jはこれまで助成金に運営費を頼る形をとっていましたが、継続支援してくださる方の協力を仰ぎ一定の組織基盤を確立しながら、より大きな取組みを生み出せる形へと運営の改善を進めた1年でもありました。

IUCN-Jでは、2023年4月にウェブサイトを大幅リニューアルし、10月には、WordPressとを導入してスタッフが発信しやすいよう機能強化を施し、国際会議期間中に27件のブログ記事を現地からお届けできるようになりました。

事務局長道家だけでなく、ユース自身の目から見た世界をも紹介しました

8月に、X、Facebook、Instagramを開設し、情報の発信を強化し、継続支援者を募集する仕組みも整えました。

IUCN-Jも委員の一人である「2030生物多様性枠組み実現日本会議」と共同で、日本の多様な社会からネイチャーポジティブをめざす機運醸成のための「ネイチャーポジティブ宣言ポータル」を10月に立ち上げたところです。

今年1年の取組みを実現するために、ネイチャーポジティブ宣言や方針検討にはPwCコンサルティング合同会社プロボノチームと、広報では株式会社ひとしずくと、ウェブ改良ではトランスアルファ株式会社様にご協力をいただきました。

AQUA制作の寄付につながるぬいぐるみが、チャリティーイベント受付で支援者の皆様を出迎えました。

経団連自然保護基金助成金や、商品等の売り上げ寄付という仕組みで、株式会社良品計画シール堂株式会社ワコール株式会社AQUA等の企業の皆様にご支援をいただきました。

継続支援者拡大キャンペーン中

2024年もIUCN-Jメンバーへの活動支援を拡大したいと思います。現在、IUCN-Jの活動を継続的にご支援いただけるサポーターキャンペーン実施中です。(2024年1月末まで)

今、ご支援いただいた方にはオリジナルステッカープレゼントのキャンペーンを実施しています。ステッカーの製作の一部にシール堂様のご協力をいただきました。IUCN-Jでは、未来への責任を果たすため、自然保護に取り組む日本国や世界の組織と連帯し、自然の損失を止め、回復へとつなげる「ネイチャーポジティブ」のため活動をより一層大きくしたいと考えています。ぜひ私たちの活動へのご支援をよろしくお願いいたします。

国際自然保護連合日本委員会 事務局長 道家哲平