生物多様性条約第17回締約国会議(COP17)は、10月30日から31日にかけて徹夜の交渉が続き、10月31日(土)午前10時20分に閉幕しました。
*帰国準備があったため国連ウェブキャストやIISDーENBをもとに本記事を作成しています。
30日は、午前中の本会議で一部の異論の少ない決議を採択した後、2つのワーキンググループが夜まで会議室文書(CRP)の審議を続けました。しかし、多くの文書では意見の対立を示すブラケット(角括弧)が残されたまま、本会議へ送られました。
午後10時45分に再開された本会議では、COP17議長を務めるアルメニアのハンバルズム・マテヴォシャン環境大臣の進行のもと、残された論点について最終調整が行われました。グローバルレビューおよび資源動員は比較的早い時間で採択されました。31日午前1時10分には、森林生物多様性と農業・生物多様性に関する決議案をめぐって会議が一時中断されましたが、その後の協議を経て両決議は採択されました。
午前1時30分からは次回COP18の開催地を決める秘密投票が実施され、午前3時5分に結果が発表されました。エクアドルの首都キトが55票、パナマの首都パナマシティが53票となり、わずか2票差でキトが選ばれました。COP18は2028年第4四半期に開催されます。
午前5時頃からは、先住民・地域社会(IPLCs)に関する議題が審議されました。特に、新設された第8条(j)及び関連規定に関する補助機関(SB8J)の運営方法について意見が分かれ、議長のもとで非公式協議が行われました。午前7時頃に妥協案が提示され、各国政府本国との協議を経て、午前8時頃に採択されました。
先住民の代表を、それぞれのガバナンス制度に従って選出することをめぐっては、先住民側が決議を歓迎する一方、カナダやデンマーク・グリーンランドなどからは妥協案の一部の表現に懸念が示されました。インドネシアも制度設計に強い懸念を表明し、COP18でのさらなる検討を支持しました。
また、遺伝資源に関するデジタル配列情報(DSI)については、30日夜のワーキンググループで十分な審議時間を確保できないことが明らかとなりました。オーストラリアの提案を受けて議長の友人グループ(Friends of the Chair)が設置され、会期間作業に焦点を当てた決議案が作成されました。この議長提案文書は、31日早朝の本会議で採択されました。
一方、他の条約との協力や、名古屋議定書に基づく地球規模の多数国間利益配分メカニズムなど、一部の議題は時間不足によりCOP18へ審議が持ち越されました。
今回のCOP17は、GBFの進捗状況を世界全体で評価する重要な節目となりました。同時に、2030年目標の達成に向けた具体的な対応をめぐって、締約国間の意見調整の難しさが改めて浮き彫りになった会議でもありました。
国際自然保護連合日本委員会
会長 道家哲平






















