生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)に向けて、過去のCOP決定前進させるため、科学技術的視点から検討する第25回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA25)が、10月15日から10月19日まで、ケニア共和国・ナイロビで開催されます。SBSTTAは、関連分野の専門家による政府代表から成り、生物多様性の現状評価や、条約の取り決めに従った施策の評価、締約国会議(COP)からの質問への対応などの役割を果たしています。

昆明・モントリオール生物多様性枠組の決定後初となるCBD関連会合

2022年12月に新たな生物多様性に関する世界目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組」(GBF)が採択されました。今回の会合は、このGBFが採択された後の初の会合として、GBFの実施及びその進行状況のモニタリングが焦点となります。私たちIUCN-Jもこの重要な会合に参加し、最新の情報と議論の内容を、現地からの記事や帰国後の報告会を通じて皆様にお伝えする計画です。

GBFは、2030年に向けて緊急の行動を促すための23の行動指向のグローバル目標を明示しています。私自身、IUCN-Jのインターンとしてこの会合に携わる機会を得ており、特にGBFのグローバル目標8を達成するための取り組みに注目しています。

目標8は、自然を基盤とした解決策やエコシステムを基盤としたアプローチを通じて、気候変動や海洋酸性化の影響を最小限に抑える必要性を強調しています。気候変動や海洋酸性化を抑えるために、どういう自然を基盤とした解決策があるのか、そしてそれらの解決策にはどのような機会と課題があるのか、これらのテーマについて、他の代表者の方々の意見や見解を伺いたいと考えています。

第25回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA25)の概要

会議名称:第25回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA サブスタ 25

Twenty-fifth meeting of the Subsidiary Body on Scientific, Technical and Technological Advice

公式ウェブサイト:https://www.cbd.int/meetings/SBSTTA-25

開催期間:2023年10月15日(日)~10月19日(木)

場所:UNEP本部、ナイロビ、ケニア

議題

1. 開会
2. 組織的事項:役員の選出、議題および作業の組織の採択
3. 昆明・モントリオール生物多様性枠組の実施の促進とその進捗のモニタリング:
 (a) 昆明・モントリオール生物多様性枠組のモニタリングフレームワーク
 (b) 計画、モニタリング、報告およびレビューのメカニズム
 (c) 枠組の実施を支援するための科学的および技術的ニーズの特定のアプローチ(条約の作業プログラムに対するその意味合いを含む)
 (d) 植物保全
4. 生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォームによる評価の結果、および条約の下で行われる作業に対するその意味合い
5. 外来生物種
6. 持続可能な野生動物の管理
7. 生物多様性と気候変動
8. その他の事項
9. 報告の採択
10. 会議の閉会

CAI DANMENG
(IUCN-Jインターン、筑波大学大学院)