なぜネイチャーポジティブが必要なのか

自然を価値づけ守る社会づくりが、
私たちの生活に直結してきます

すべての生物は互いに影響を与え合っています。自然界のある種や遺伝子、生態系が失われると、その影響は他の生物にも及び、全体のバランスが崩れます。私たちの社会・経済はその多くを自然に依存しており、生物多様性が失われると、これまで私たちが受けていた生態系サービスの損失に繋がります。

自然の危機的な状況

  • 75%の陸地、66%の海洋環境が改変し、300年間で湿地面積は15%にまで減少
  • 評価された動植物の種群のうち平均約25%(推計800万種のうち100万種)が既に絶滅危機
  • 2023年12月公表されたIUCNレッドリスト2023-01では、学名がつけられた生物種のうち、44016種が絶滅危惧種と判定

複雑な生態系を構成する部品(生物種)の危機

過去10年に話題になった絶滅危惧種

普通に見られた生き物が、経済的に大事な生き物が、絶滅危惧に

IUCN Red List of Threatened Species 2010-2022 より

生物多様性の危機 – 77億人の命の危機

  • 世界経済活動(GDP)の半分に相当する44兆ドルが自然資源に由来
  • 75%の食料が、自然の受粉メカニズム(昆虫など)に由来しており、花粉媒介生物喪失による被害リスクは2350億ドル~5770億ドル相当
  • 今世紀末までに気候変動影響で漁獲資源は最大25%減少の見込み
  • 抗がん剤等の医薬品の70%は自然由来

IPBES生物多様性と生態系サービスに関する地球規模評価報告書(IPBES, 2020)

IUCNレッドリストのアップデートの際には、個別の生き物が絶滅危惧種かどうかがよく注目されます。しかし、本当に大事なのは、私たちが暮らす地球の自然の中で問題が起こっているということ。いわば、自然の健康診断結果と言えます。
図は、評価結果を円グラフで表したものです。
本来はすべての項目で正常であるべき所、今の診断結果の項目は、
約3割が即手術()、入院()と要精密検査(情報不足 )が約2割
に相当し、今現在が既に異常な状態であることが分かります。
みなさんはこの診断結果を見て、そのままにしておきますか?

無意識のうちに、私たちが消費してきた自然は今、危機に瀕しています。自然環境への配慮は、マイナスをゼロに近づける努力はするものの、結局マイナスを生み出し続けているだけです。
これまでの”ネイチャーネガティブ”な生活は、既に継続していくことが難しく、変革すべきタイミングに来ています。
多様な種が存在し、多様な生態系があり、遺伝的な多様性が保全されることは、私たちの将来の経済社会活動の選択肢や可能性を確保することにも繋がります。
今一度、生物多様性やネイチャーポジティブの必要性を、個人や企業、自治体、国など、あらゆる方々が再認識し、取り組み着実に進めていくことが大切です。