グリーンコミュニケーションの重要性
グリーンコミュニケーションとは?
一般的には、環境保全や、持続可能な社会の実現にむけた取り組みや情報を伝えることを指しますが、より広くとらえるならば、自社・自団体のビジョンや取り組みと、ステークホルダーとの関係性を再定義し検討した上で、環境保全等の発信方法や内容の検討から、発信後のステークホルダーとの対話など、より広範囲なプロセス全体をさします。
ネイチャーポジティブを進めていく上でのグリーンコミュニケーションの役割
ネイチャーポジティブの実現には、社会変革(Transformative Change)が必要であり、あらゆる選択肢・手法を通じて、自然の損失を回避し、回復の取り組みを社会に対して働きかけていく必要があります。そしてこの変革には、当事者となる自社・自団体の人たち、協業するパートナー、景観を共有する地域など、あらゆるステークホルダーの理解を得て、対話しながら進めていくことが欠かせません。
グリーンコミュニケーションは、あらゆるステークホルダーの目線に立った公正で、透明性のある情報や、その一連の検討プロセスを通じて、人々への意識啓発と取り組みの輪を広げていくことに貢献します 。反対に、グリーンウォッシュをはじめとする課題は、これらを妨げ、また批判や制裁への懸念から、活動を鈍化させ、負の連鎖を招きかねません。
そのため、ネイチャーポジティブとグリーンウォッシュへの対策は、表裏一体のものとして、同時並行で考えていく必要があります。
ネイチャーポジティブに対する日本と世界の差
世界では、カーボンニュートラルと連動する形で徐々にネイチャーポジティブに対する注目度があがっているのに対し、国内では依然としてカーボンニュートラルのみが注目されており、ネイチャーポジティブはまだまだこれから普及させていく必要があることが伺えます。
ネイチャーポジティブ 日本と世界の差
日本では欧米各国と比べ、国内におけるグリーンウォッシュに関する規制や、批判や訴訟を行うNGOの声が弱いことから、誤ったコミュニケーションが容易に広がってしまう環境にあることや、それが海外のコミュニティや市場において炎上するリスクを有している、という懸念があります。
今後、国の政策と相俟って、活動宣言や具体的な施策や取り組みが活発化していく中では、見せかけだけの “なんちゃって” ネイチャーポジティブを防ぎ、真に自然環境に寄与する、内容を伴った取り組みが求められます。
IUCN-Jでは、グリーンウォッシュへの懸念がネイチャーポジティブへのあゆみを妨げる足枷とならない様、今後も情報提供、様々な支援を企画していく予定です。
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