23の目標
目標
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供給サービス

Manage Wild Species Sustainably To Benefit People

野生種を持続可能な形で管理し、人々に利益をもたらす

生物多様性を向上させる持続可能な生物多様性に基づく活動、製品及びサービスと、先住民及び地域社会による慣習的な持続可能な利用の保護と奨励等を通じて、野生種の管理及び利用が持続可能であることを確保することによって、人々、特に脆弱な状況にある人々及び生物多様性に最も依存している人々に社会的、経済的及び環境的な恩恵をもたらす。

目標のポイント

POINT 1

このターゲットでは、

  • 先住民及び地域社会による伝統的で持続可能な利用方法を参考にしながら、持続可能な方法で野生種の利用と管理を行う

ことを通じて

  • 人々(特に、脆弱な状況にある人や生物多様性に最も依存している人)に社会的・経済的・環境的な恩恵をもたらす

ことを目指しています。

POINT 2

生物多様性は、私たちが生活する中で依存する多くのモノやサービスの源となっています。その中でも、供給サービスとも表現される陸域・淡水域・海域に生息する野生種は、私たちが必要な栄養素や医薬品の原料となり、また生計を立てるすべとなるなど、多くの利益をもたらします。

POINT 3

したがって、野生種の管理・利用や、人間にもたらされる恩恵を持続可能な形にする必要があります。そうすることは、弱い立場にいる人々や生物多様性に最も依存している人々の幸福にもつながります。

POINT 4

その際に、先住民や地域社会が慣例的に行っている持続可能な野生種の利用法を尊重し、参考にすることも大切です。

目標達成に向けた活動の考え方

このターゲットの達成に向けた活動の例としては、

  • エコツーリズムなど持続可能な観光を推進する
  • 獣害駆除でとった動物をジビエ料理などで活用する
  • 製品が持続可能な方法で生産されたことを証明する認証制度を促進する
  • 漁業・林産物など地域資源の活用を持続可能なものとし、先住民や地域社会への経済利益も含めた、自然の恵みの確保やそのための社会の仕組みづくり

といったことが考えられます。

活躍が期待される人たち

この目標の達成には、市民が間接的に野生種の持続可能な利用に貢献するような行動をすることが期待されています。また、事業者も自社で扱う製品に認証がついているものを導入するなど、野生種の持続可能な利用を支えることが期待されています。

  • 自治体
  • 事業者
  • 非営利団体
  • 教育研究機関
  • 市民

国内での参考事例

IUCN-Jでは、参考事例を募集しています。例えば、エコツーリズム推進における野生動物の利用に関する取組み、漁業資源確保のための地域コミュニティを中心としたルールと遵守などの各地の取組みから、参考事例が見いだせると考えられます。

目標や解説などは生物多様性条約事務局資料をもとに、IUCN-Jと国立環境研究所生物多様性領域がまとめました。また、記載内容は、特別な記載がない限り2023年度に参照した情報をもとにしています。

生物多様性条約事務局資料の原文はこちら

IUCN-Jと国立環境研究所は、連携基本協定を結んでいます。