ついに10月9日、IUCN世界自然保護会議(WCC:World Conservation Congress))がANDEC Centre Abu Dhabiにて開幕しました。この会議は4年に一度開かれ、地球規模の環境課題に対して、科学、政策、社会、経済などの多様な観点から議論が行われます。

開幕式では、美しい映像の投影や中東を感じる音楽、パラオ共和国大統領の挨拶から始まり、IUCNの大統領をはじめとした、多くのゲストのスピーチやメッセージが続き、世界の自然保護を考える情熱を持った若手から大人までの数多くの人々が集まりました。

パナマ環境大臣のJuan Carlos Navarro氏は「国際合意だけでは不十分であり、各国および個人が即時に行動を起こすべきである」と主張し、

  • 地球環境は危機的状況にあり、特に海洋保護は緊急課題。
  • 国際条約の存在を理由に、国内での責任を回避してはならない。
  • 各国が自国の生態系を即座に保護することが求められる。

などと発言しました。

また、パナマ環境大臣を含めた3名の登壇者の共通の論点や提言としては、現在の国際的な環境制度はバラバラで連携が弱く時代遅れとなっているということや、自然保護にはもっと資金や技術が必要だということが述べられていました。

その後開かれたパネルディスカッションでは、アブダビ環境庁 事務総長のShaikha Salem Al Dhaheri、国連環境計画(UNEP) 副事務局長/国連事務次長補のElizabeth Maruma Mrema、パナマ共和国 環境大臣のJuan Carlos Navarro、ラムサール条約事務局長のUsuna Mummaの4名が登壇され多国間環境ガバナンスの再構築についての提言が行われました。

IUCN-WCCは、フォーラムが本日から12日まで、展示が本日から13日まで、総会が13日から15日にわたって開催されます。

小松大谷高等学校  山本 詩