23の目標
目標
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遺伝子組み換え生物

Strengthen Biosafety and Distribute the Benefits of Biotechnology

バイオセーフティの強化とバイオテクノロジーの恩恵の分配

すべての国において、生物多様性条約の第 8 条(g)項で定められているバイオセーフティ措置及び同条約第 19 条に定められているバイオテクノロジーの取扱い及びその利益の配分のための措置を確立し、そのための能力を強化し、実施する。

目標のポイント

POINT 1

バイオセーフティー措置は、遺伝子組み換え技術などのバイオテクノロジーにより改変された生物の使用と放出に関連するリスクを規制・管理するために講じられる措置の事です。

改変された生物を生み出し使用することや、屋外に放出することに関しては、潜在的なリスクを認識し、必要な安全予防措置を確実に取る必要があります。一方で、私達は近年のバイオテクノロジーの発展から多大な利益も受けています。

このターゲットでは、そういったバイオテクノロジーの正の面(期待)と負の面(不安)双方に関して取組を行う必要があるとしています。

POINT 2

このターゲットでは、

  • バイオセーフティー措置
  • バイオテクノロジー研究への参加とバイオテクノロジーから得られる利益配分のための措置

の2つの要素に関して、そのための能力を強化し、実施することを目指しています。

POINT 3

バイオテクノロジーは、様々な利益を生み出すことが出来る技術です。
また、途上国がバイオテクノロジー研究に参加したりそのための遺伝資源を提供することは、研究能力の強化に繋がります。

バイオテクノロジーの成果と利益を締約国が公平に利用できるようになれば、各国が遺伝資源に基づく技術進歩から利益を得ることができるため、保全のインセンティブとなることが期待されています。

目標達成に向けた活動の考え方

このターゲットの達成に向けた活動の例としては、

  • カルタヘナ議定書と名古屋クアラルンプール 補足議定書に基づく国内法を適切に実施し、必要に応じて国内法を改正する
  • バイオセーフティー措置に関する法律や規則を遵守する
  • 遺伝子組み換え作物の野外逸出状況の評価や、適切な普及啓発

といったことが考えられます。

活躍が期待される人たち

この目標の達成には、法律の実施運用主体として国、法律を守ったバイオセーフティー措置の実施に関して事業者・教育研究機関・農林漁業団体などによる取組が特に期待されています。

  • 事業者
  • 教育研究機関
  • 農林漁業団体

国内での参考事例

国立環境研究所では、環境省からの請負事業として除草剤耐性ナタネの生物多様性影響調査を実施し、その成果の普及を行っています。
https://www.nies.go.jp/kanko/kankyogi/75/02-03.html

目標や解説などは生物多様性条約事務局資料をもとに、IUCN-Jと国立環境研究所生物多様性領域がまとめました。また、記載内容は、特別な記載がない限り2023年度に参照した情報をもとにしています。

生物多様性条約事務局資料の原文はこちら

IUCN-Jと国立環境研究所は、連携基本協定を結んでいます。