保護地域システムを補完する仕組みとしての民間保護地域
~民間保護地域の重要性と今後~
Private protected area enhancing PA systems: their importance and wider recognition
会議2日目に、民間保護地域(里山や企業の森など)について、サイドイベントを実施しました。(プログラムとプレゼン資料はこちら)
とき: 2013年11月14日11:15-12:15
ところ:仙台国際センター3階白橿2
主催: IUCN日本委員会、エクリブリウム・リサーチ
【背景と概要】
里山保全やトラスト活動、民有地(社有地含む)での保全活動など、民間が守っている地域は、国際的にも注目されている重要な地域ですが、国の保護地域制度に位置づけられていず、その全容も正確に把握されていません。
民間保護地域における制約や可能性、促進要因や阻害要因について国際的に理解を深め、その形成や管理、位置づけに関するガイドラインを策定することができれば、民間保護地域による保全をさらに進めることができます。
そこで、このサイドイベントでは、民間保護地域の特徴や取り組みを紹介し、民間保護地域による取り組み促進とそれによる愛知ターゲット目標11(保護地域)への貢献について議論しました。主な内容は次の5つです。
[1] 民間保護地域は、保護地域として管理する方法の一つとして重要である。また、愛知ターゲット目標11をはじめとする世界的な保全目標の達成に大きな役割を果たす。
[2] 民間保護地域の保全と管理には多様な方法があり、NGOや企業など様々な組織によって行われている。
[3] 世界中で多くの民間保護地域がみられるが、世界や各国の保護地域システムで把握されているものは、ごく一部である。
[4] 民間保護地域に関する用語や定義、位置づけは、保護地域に関する国際的な研究の中で議論された(報告書は第6回世界公園会議に向けて準備中)。
[5] 2014年に開かれる生物多様性条約第12回締約国会議(CBD-COP12)や第6回世界公園会議などの国際的な保全の議論の中で、民間保護地域は、重要なテーマとして議論される必要がある。
【プログラムとプレゼン資料】
1. 主催者挨拶 吉田正人(IUCN日本委員会)
Opening remarks by Dr. Masahito Yoshida (Japan Committee for IUCN)
2. 基調講演(Keynote speech)
「民間保護地域の特徴~民間保護地域の役割の評価と促進~」(仮訳)
スー・ストルトン&ナイジェル・ダドリー(エクリブリウム・リサーチ共同運営者)
“PPA Futures: Assessing and advancing the role of private protected areas” ![]()
by Ms. Sue Stolton & Mr. Nigel Dudley (Equilibrium Research).
3. 関連取り組みの報告
(1) 日本の取り組み(Report 1)
a: 「日本における民間保護の取り組みについて」(仮訳)
道家 哲平(IUCN日本委員会事務局担当)
“About PPAs initiative in Japan” by Mr. Teppei Dohke (Japan Committee for IUCN). ![]()
b:「東日本大震災により“できちゃった”干潟・湿地」(仮訳)
鈴木孝男(東北大学大学院生命科学研究科助教)
“Tidal flats and salt marshes produced newly after 3.11 disaster”
by Dr. Takao Suzuki (Graduate School of Life Sciences, Tohoku University) .![]()
(2) 韓国の取り組み(Report 2)
「韓国における民間保護地域」(仮訳) ハグ・ヤン・ヘオ(韓国国立公園公社国際協力部長)
“Private Protected Areas in Republic of KOREA”
by Dr. Hag Young Heo (Partnership Department, Korea National Park Service).![]()
(3) 世界の取り組み(Report 3)
「世界保護地域データベース(WDPA)における民間保護地域の情報」 (仮訳)
ナオミ・キングストン(国連環境計画世界保全モニタリングセンター保護地域プログラム長)
“Private Protected Areas information in the World Database on Protected Areas (WDPA)”
by Ms. Naomi Kingston (UNEP-WCMC).![]()
4. 討論・質疑応答(Discussion)
会場からのコメント・質問と発表者からの回答
(IUCN-J にじゅうまるプロジェクトスタッフ 種田あずさ)

























