
第5回生物圏保護区(BR:ユネスコエコパーク)世界大会が中国・杭州にて、1日目がスタートしました。
オープニングでは、開催国中国の環境省や研究機関、UNECSO等からの挨拶が行われました。
テクノロジーと科学の課題を同時解決すること、キャパビルの必要性、モニタリングと分析の実施、経済成長や雇用機会の創出、伝統的知識を政治にも組み込むこと等、多くのキーワードが飛び交いました。
会議スケジュールの詳細はこちらからご覧いただけます。
開会式後に、ノートパソコンと同じくらいの大きさのお弁当を食べた後、
「Mainstreaming the MAB Programme in Climate Action and Nature Positive: Japan’s Contribution」というサイドイベントへ登壇しました。
日本のMABで活動する研究者やNGO、ユース、UNESCOインターン生、ポルトガルやマレーシアのBR関係者と共にパネルディスカッションを行いました。各主体の取組紹介と今後の展望について語られ、ユースからは日本MABユースネットワークの立ち上げについても言及されました。継続的な運営の観点から支援の必要性が訴えられました。
サイドイベント後のSesssion 1では、新たなMABの行動計画をテーマに議論がなされました。
計画が策定されるまでのプロセスについても詳細な説明もあり、69パーセントの国からフィードバックが得られたことやことや、多世代の関与がハイライトされました。
また、パネルディスカッションでは、IUCN世界遺産グループのティム・バットマン氏をはじめ、FAOやIPBES、IPCC、JICA、UNESCOといった分野を跨いだ視点からMABプログラムについて議論がなされました。
FAOからはUNESCOと共同で行っている土壌のに関する取組と健全な土壌の重要性について、IPBESからはMABには10年を超える実践歴があることから、データとして貴重であることが述べられました。生物多様性条約と他条約間の接点についても言及され、MABが多くのターゲットにおいて貢献していることが示されました。
今日一日を通じて、MABが生物多様性条約や気候変動枠組み条約、土壌・食料安全保障、地域創生など、多様な分野との連携を図ろうとしていることが伺えました。これまで参加してきた生物多様性条約やIUCNの会合では、資金動員の枠組みや指標が多く議論される中で、MABでは地域や世代、セクターをまたぐ連携や他分野がより強く意識されていました。
初めてMABの会合に参加してみて、MABが国境や分野を跨ぎ、連携を深める仕組みとしての役割を果たせるのではないかという希望を持つことができました。自治体をまたぐユネスコエコパークもあり、だからこそ難しい面もあることは重々承知ですが、ポジティブに捉えればそれは連携の機会であり、多様な主体を巻き込んだ自然と共に在る取組にMABを活かしていきたいと思いました。
IUCN日本委員会
事務局/ユースコーディネーター
稲場一華