2025年9月22日から9月26日かけて、UNESCO の MAB(Man and the Biosphere:人間と生物圏)プログラムに基づく国際会議 WCBR(World Congress of Biosphere Reserves:生物圏保存地域世界大会)が、中国の杭州で開催されます。

前回第4回がペルー・リマ市にて、2016年3月14日~17日10年に開かれ、第5回目となる今回はおよそ10年ぶりの開催です。

国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)は、WCBR に参加し、サイドイベントの登壇やブース展示の他、現地からのレポートを通じて国内外の BR 関連情報を積極的に発信する予定です。

MABとは?

MAB(Man and the Biosphere:人間と生物圏 は、1971 年に UNESCO によって開始された国際的な科学プログラムです。人間と自然環境の関係を科学的に向上させ、持続可能な発展の基盤を築くことを目的としています。

BRとは?

BR(Biosphere Reserve:生物圏保存地域 は、自然と人間が調和しながら共生する「学習の場」──すなわち持続可能な開発のためのモデル地域です。日本語では、『ユネスコエコパーク』とも呼ばれています。BR には以下の3つのゾーンが設けられています:

  • コア(核心)地域:生態系や希少種の保護に専念する厳しく保護された区域
  • バッファー(緩衝)地域:研究や教育など、保全に資する活動に使われる区域
  • トランジション(移行)地域:地域住民による持続可能な開発活動が展開される区域

このゾーン構造により、生物多様性の保全・人間の開発・教育・研究機能を統合的に推進します。

現在、世界中で759箇所以上の生物圏保護区が指定され、全地球の約 5% を覆い、2 億 6,000 万人以上の人々が暮らしています。

WCBRとは?

WCBR(World Congress of Biosphere Reserves:世界生物圏保護区会議) は、BR に関する最新の知見や課題を共有し、国際的な協働や取り組みの強化を図るための世界会議です。この会議では、UNESCO や各国の MAB ネットワークを通じて、実践事例の共有・知見交換・政策提言などが行われます。今年は、BR の機能強化や新たなネットワーク展開に向けた重要な節目となる会議と期待されています。