一般社団法人ROOTs(Rooting Our Own Tomorrows)でリサーチを担当している、宇都宮大学4年の杉山莉音です。ROOTsでは、メディアにおける自然や野生生物の描写によって、自然や野生生物へのネガティブな影響(例えば、野生生物を「可愛くて飼いやすい」と描写することでの絶滅危惧種の需要喚起)や動物を描写する上での炎上リスクを抑え、人々が自然のために行動するようなポジティブな影響を最大化させるため、メディア企業が自然や野生生物を描く際のメディア向けのガイドラインの作成や、専門家サポートなどを行っています。私はその中でも、メディアコンテンツのリサーチを担当しています。
HP: https://www.roots-wildlife.org/
はじめに
今回のWCC参加は、私にとって初の海外渡航でした。何もかもが初めてで、すべてが挑戦の連続です。楽しいことも、悔しいことも、たくさんあります。初心を忘れないように、そしてこの経験がいつか誰かを勇気づけられるようにと思いを込めて、ここに記録として残しておきたいと思います。
初海外ということで、刺激的なことはたくさんありますが、今回はWCCに関することに絞って書きたいと思います。
WCCで自分は何をするのか
まずは、WCCに参加する前に、ROOTsとして得たいことをチームで設定しました。ROOTsの活動背景となっているメディア・SNSによる自然への影響についての海外での状況や活動団体の情報収集です。
この目的を見失わないよう、セッションに参加したり、インタビューをしたりしていきます。
先輩の背中を見て、WCCでの行動の仕方を学ぶ
まず、WCCの1日目は、初めてセッションに参加しました。今回参加したセッションは、野生生物取引とワンヘルスに関するもので、ROOTs代表の安家さんに同行させていただきました。安家さんの後について行くと、なんと、セッション終了後に、スピーカーの前に来ていました。セッションが終わった後、安家さんはスピーカーのもとに行って、ROOTsの活動について話をして名刺を渡したり、質問されたりしていたのです。この突然の展開に、本当に緊張して、何が起きているのか分からなくなるくらい頭が真っ白になりました。その夜に、そのスピーカーに連絡をとって、さらに質問をされていました。「自分と関心が近い、繋がることがありそうなスピーカーにセッションの後に声をかける。名刺を交換して、Linked inやmailで連絡をする。」――その、先輩のあまりに大きすぎる背中を見て、国際会議の行動の仕方を学びました。
勇気を出して、行動してわかること
そして、その安家さんから、なんと、「次のセッションでは、何でもいいから疑問に感じたことをスピーカーに質問して、名刺を交換してみる」というミッションをいただき、一人でセッションに行くことになりました。そして、セッション終了後に、ROOTsのチラシを握りしめ、スピーカーに声をかけました。そのスピーカーの方は、ワンヘルスの専門家で獣医の方でしたが、ROOTsの活動に共感してくださり、「野生生物取引の問題に取り組む仲間に会えたことがうれしい」と言ってくださいました。拙い英語での説明でしたが、真剣に耳を傾け、向き合ってくださったことがとても嬉しかったです。そのスピーカーの方に関わらず、私が言葉に詰まってしまったり、上手く伝えられなかったりしても、真剣な表情で話をしっかり聞いてくれて、共感してくださる方ばかりでした。皆さんが本当に優しいことに救われています。生き物に優しい人は、人にも優しいのだなと思いました。セッション後にスピーカーに話しかけるのは、始めはすごく緊張し、勇気を振り絞って足を運んでいましたが、繰り返すうちに慣れてきました。そこで得られたつながりを、今後のROOTsの活動に生かしていきたいです。

どうしても避けては通れない英語の壁
私が直面している、コミュニケーションにおける英語の壁についても書こうと思います。私は昨年からDMM英会話を続けていて、海外でもきちんとコミュニケーションが取れるようになりたいと練習を重ねてきました。今こそ、その成果を生かすときだとも思い、英会話を続けてきたという自信もありました。しかし、そのプライドをすぐに捨てなければなりませんでした。セッションは、恐ろしい速さで英語が右から左へと流れていき、話の流れや内容を理解するのがとにかく難しいのです。質問するにしても専門的内容を英語で表現するのが厳しい。インプットもアウトプットも難しいのです。だから、質問したいことはあらかじめカンペをつくっておいたり、セッションの内容はAIの文字起こし機能に頼ったりして、内容を吸収できるようにしました。こうならないために、DMM英会話をしてきたのにと、悔しい気持ちでいっぱいでした。しかし、そのおかげで、得られるものは格段に増えました。AIの文字起こしを教えてくれた仲間にも感謝しています。
最後に
WCCの日本の参加者の皆さんは、困っていると助けてくださいますし、励ましてくださいます。安家さんには「上手くやろうとしなくて大丈夫」という言葉に背中を押され、自分の英語が上手く伝わらないかもしれないし、質問も上手くできるか分からないけど、行動してみよう、できることをやろうという勇気を持てました。
上手くいかないことに、これからもたくさん直面すると思いますが、それをも楽しんで残りのWCCに一生懸命取り組みたいです。
Rooting Our Own Tomorrows (ROOTs)
宇都宮大学
杉山莉音























