多くの動物は長距離間の移動をします。彼らは餌を得、繁殖し、子を育てるために、一年のうち、ある時期にはある環境で、また他の時期には他の環境において、資源を利用しています。
この習性は、彼らの生存のためにかかせないものですが、同時にそれは、彼らを様々な危険にさらすことにもなります。これらの動物は移動の時、国境線を超えます。したがって移動性動物種は、それが横切るすべての国々にとって真の共有財産といえます。領域内を定期的に移動するこれらの動物種を保護するにあたって、各国が独立した責任を持つと同時に、共同して保護する責任も負っているのです。
移動性動物種に関する国際的な活動
「移動性の野生動物種の保護に関する条約」(「CMS」や「ボン条約」としても知られています)は、陸生動物類、海洋動物類、鳥類の移動性の種を、それらの生息地にわたって保護することを目的としています。これは、地球規模で野生動物やその生息地の保護を扱っている数少ない政府間の条約の一つです。1983年11月1日にこの条約が施行されてから、2003年9月1日現在までで、アフリカ、中央アメリカ、南アメリカ、アジア、ヨーロッパ、オセアニアの84ヶ国と、加盟国の数を着実にのばしてきました。
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CMSの加盟国は、
- 絶滅のおそれのある移動性動物種の厳格な保護
- 移動性動物種の保護と管理に関する多国間協定の締結
- 共同研究活動 によって移動性動物種とその生息地を保護するために活動しています。
移動性動物種に対する危機要因
アオウミガメ
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移動性動物種に対する主要な危険要因として、
- 生息地の破壊
- ダム、発電所、送電線、フェンスなど、移動に際しての障害
- 漁業における偶発的な捕獲(混獲)
- 過度な狩猟
- 移入種
- 産業汚染
- 気候変動 などが挙げられます。
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これらを減少させるためにCMSは、
- 絶滅の危機にさらされている種(CMSの付属書Ⅰにリスト化されている種)に対する協調 活動と厳格な保護
- 生息国間で、同レベルの保護活動を推進するための協定(CMSの付属書Ⅱにリスト化さ れている種について)
- 共同研究、モニタリング、保護プロジェクトを行っています。
移動性動物種に対する協調活動と厳格な保護活動
付属書Ⅰは、絶滅の危機にさらされている移動性動物種をリスト化しています。
ソデグロヅル
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CMSの締約国は以下のことを行います。
- これらの動物を厳格に保護する
- これらの動物の生息地を保護、回復する。
- 移動の障害を軽減させる
- その他の危険となる原因をコントロールする。
付属書Ⅰは、海生哺乳類、陸生哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類が含まれています。例えば、ソデグロヅル、オジロワシ、タイマイ、チチュウカイモンクアザラシ、ダマガゼルなどです。
生息国間で同レベルの保護活動を推進するための協定
CMSは枠組み条約であり、国際機関との協力に支えられ、各生息国の政府間の取り決めを推進しています。

付属書Ⅱには、現在好ましくない保護状態下にあって、国際間の協力が必要とされている種がリスト化されています。第一の目標は、これらの移動性動物種の保護状態を好ましい状態にまで回復させることです。
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CMSの取り決めは、以下のように、法的拘束力のあるものからよりインフォーマルなものまで様々です。
- 国際協定
- 合意事項の覚書
- アクションプラン
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また、保全活動には、以下のものがあります。
- 種の保護対策
- 生息地の保護対策
- 調査、モニタリング
- 教育および普及
- 国境をまたいだ保護対策の強化
よりフォーマルな取り決めでは、種の保全と管理計画(生息地の保護と回復、移動の妨害要因のコントロール、共同研究とモニタリング、教育、加盟国間の情報交換)を同等に扱うべきです。
現在までに結ばれた協定
現在までに、CMSの下でいくつかの協定が結ばれました。それらは、以下の動物を保護するものです。
- ヨーロッパのコウモリ
- 地中海と黒海の鯨類
- バルト海と北海の小型鯨類
- ワッデン海のアザラシ
- アフリカ-ユーラシア間を移動する水鳥
- ソデグロヅル
- シロハラチュウシャクシギ
- ウミガメ
ボン条約の事務局と各委員会
国連環境計画の下でボン条約事務局が条約の事務的なサポートをしています。条約の意志決定機関は、締約国会議(COP)で、2002年9月にボンで第7回会議がありました。COPの定例会議のない期間は、常設委員会が政策と運営に関与しています。個々の加盟国とCOPから任命された専門家による科学委員会は、科学的、技術的な事柄に対して助言を与えています。
