レッドリスト

日本のレッドデータブック
IUCNのレッドリストをもとにして、世界のあらゆる国、地域でも、レッドデータブックを作成するようになっています。日本で作成されているレッドデータブックについてご紹介します。

日本初のレッドデータブック
日本初のレッドデータブックは、1989年に日本自然保護協会、世界自然保護基金ジャパンから発行された、「我が国における保護上重要な植物種の現状(レッドデータブック植物種版)」です。その後1992年に「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)」が成立し、環境省が脊椎動物、無脊椎動物、維管束植物、その他の植物についてレッドデータブックを発行、水産庁が「日本の希少な野生水生生物に関するデータブック」を発行しています。また、北海道から沖縄県まで24の都道府県がレッドデータブックを作成しています。また日本哺乳類学会、日本麟翅学会などが独自のレッドデータブックを作成しています。
環境省、水産庁、学会などのレッドデータブックは、全国レベルの評価をしていますが、都道府県のレッドデータブックは、都道府県レベルの評価をしています。その多くはIUCNと同じ評価基準を使っていますが、地理的な範囲が異なるため同じ生物が、地球レベル(IUCN)、全国レベル(環境省)、地域レベル(都道府県)で評価が異なることがあります。例えば、ツキノワグマ(アジアクロクマ)は、地球レベルでは絶滅危惧II類(VU、IUCN)ですが、全国レベルでは絶滅のおそれのある地域個体群(LP、環境省、哺乳類学会)、京都府のレッドデータブックでは絶滅寸前(CR、絶滅危惧IA類)となっています。

環境省のレッドデータブックにみる絶滅のおそれのある動植物種の数

環境省のレッドデータブック(2007年)によれば、日本の哺乳類の24.0%、鳥類の13.1%、爬虫類の31.6%、両生類の33.9%、汽水・淡水魚類の25.3%、陸産・淡水産貝類の25.1%が絶滅のおそれのある種となっています。

  分類群 評価対象
総種数(a)
絶滅
EX
野生
絶滅
EW
絶滅
危惧種
CR+EN+
VU(b)
準絶滅危惧種
NT
情報不足
DD
(b/a)

哺乳類 約200 4 0 48 16 9 24.0%
鳥類 約700 13 1 92 18 17 13.1%
爬虫類 98 0 0 31 17 5 31.6%
両生類 62 0 0 21 14 1 33.9%
汽水・淡水魚類 約300 3 0 76 12 5 25.3%
昆虫類 約30,000 2 0 139 161 88 0.5%
陸・淡水産貝類 約1,000 25 0 251 206 69 25.1%
クモ類・甲殻類等 約4,200 0 1 56 31 36 1.3%
動物小計 47 2 714 475 230 -


維管束植物 約7,000 20 5 1,665 145 52 23.8%
蘚苔類 約1,800 0 0 180 4 54 10.0%
藻類 約5,500 5 1 41 24 0 0.7%
地衣類 約1,000 3 0 45 17 17 4.5%
菌類 約16,500 27 1 63 0 0 0.4%
植物等小計 55 7 1,994 190 123 -
動物・植物等合計 102 9 2,708 665 353 -
・種数には亜種・変種を含む
・カテゴリー(EX,EW等)の説明は、前ページ「IUCNレッドリスト」の分類表参照
・出展:「新・生物多様性 国家戦略」 環境省 2007

NACS-Jおよび環境省のレッドデータブックにみる絶滅のおそれのある植物種の数の変遷

植物では、維管束植物(種子植物、裸子植物、シダ植物)の23.8%が絶滅のおそれのある種となっています。日本自然保護協会が1989年に発行した「わが国における保護上重要な植物種の現状」の頃とは、IUCNの評価基準が異なっているため、単純な比較はできませんが、絶滅のおそれのある植物種の数は、895種から1,887種に増えています。

  維管束植物 蘚苔類 藻類 地衣類 菌類
絶滅 EX 20(35) 0 5 3 27 55
野生絶滅 EW 5 0 1 0 1 7
絶滅危惧 絶滅危惧I類
CR+EN
1,665
(824)
1,044
(146)
180 110 41 35 45 22 63 53 1,994 1,264
絶滅危惧II類
VU
621
(678)
70 6 23 10 730
準絶滅危惧 NT 145 4 24 17 - 190
情報不足 DD 52(36) 54 0 17 - 123
1,887 238 71 82 91 2,369

・「改訂・日本の絶滅のおそれのあるレッドデータブック植物I、Ⅱ」(環境庁2000)をもとに作成
・( )は「我が国における保護上重要な植物種の現状」(NACS-J 1989)からの分類群数。旧カテゴリーを使用しているため、あくまで参考数値。
環境省発行レッドデータブックについて詳しくは、「環境省 自然環境局 生物多様性センター」のホームページにある生物多様性情報システムから、RDB(絶滅危惧種)情報をクリックして下さい。

日本のレッドデータブック植物 (表示カテゴリーはNACS-Jのレッドデータブック(1989)および環境省のレッドデータブック(2000)より)
シラン
1989年:VU
2000年:指定なし
クマガイソウ
1989年:VU
2000年:VU
エビネ
1989年:VU
2000年:VU
サクラソウ
1989年:VU
2000年:VU
フクジュソウ
1989年:VU
2000年:VU
キンラン
1989年:指定なし
2000年:VU

 

図書紹介

(一般書籍として販売されているものです。IUCN日本委員会では取り扱っておりませんので、書店でお求めいただくか図書館をご利用ください。)

●日本のレッドデータ種について

「レッドデータプランツ−日本絶滅危機植物図鑑」
岩槻 邦男監 宝島社 1994

「レッドデータアニマルズ−日本絶滅危機動物図鑑」
朝比奈 正二郎他監 JICC出版局 1992

「レッド・データ・ブック 日本の絶滅危惧植物」
日本植物分類学会 農村文化村 1993

●絶滅について

「滅びゆく日本の動物50種」
加藤 陸奥雄、沼田 真監 築地書館 1993

「滅びゆく日本の昆虫50種」
加藤 陸奥雄、沼田 真監 築地書館 1993

「滅びゆく日本の植物50種」
加藤 陸奥雄、沼田 真監 築地書館 1992

「絶滅野生動物の事典」
今泉 忠明 著 東京堂出版 1995

「日本絶滅危惧植物」
岩槻 邦男著 海鳥社 1990
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