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外来種とは

本来の自然状態では存在しない生物種の導入(外来侵入種)によっておこるさまざまな影響とはどのようなものがあるか、外来種の実例を含めてご紹介します。外来侵入種ワースト100も掲載。

外来侵入種 事例

外来侵入種ワースト100

ある生物が自然状態では存在しない生態系に導入されたときどのようなことが起こるでしょうか?その生態系は柔軟性をもってその変化に対応できるでしょうか、それとも生物の侵入ははかりしれない影響を与え、恒久的な損害を与えるのでしょうか?何か特別のものが永久に失われるのでしょうか?それで問題はないのでしょうか?

かつては地球上の山岳や海洋は、すべての生物種にとって越えることのできない障害物として存在していました。生態系は隔離されて進化を遂げていったのです。人類が登場し全世界に移動を開始すると、私たちの祖先の物理的社会的必要性を満たすため、最初の生物の導入が行われました。しかしその大きさや頻度は、現在の国際貿易や旅客の移動にともなう生物の導入に比べれば小さなものでした。

国際的な外来種の導入にともなう悲劇的な結果に関しては、200種以上の魚類を絶滅させたナイルパーチのように話には事欠きません。私たちは過去の失敗から学ぶべきです。しかし驚くべきことに生物種の導入にともなう危険は今も続いているのです。本書に紹介したカダヤシの放流はその例です。また国際的な園芸品種やペットの貿易の参加者行動も問題視されています。

うっかりした行動が、生物種の導入の原因になることもあります。いわゆる「事故」が、生物学的侵入の大きな原因の一つとなっています。「世界の外来侵入種ワースト100」をごらんいただくと、信じられないくらい多くの生物種が器用に旅行するだけでなく、新世界に定着し成長し優占するようになったか、おわかりいただけると思います。今日、外来侵入種は、生息地の破壊に次いで、生物の絶滅の大きな要因になっていることがわかっています。

Photo:池田 透

地球上の生物の多様性を構成する生物の属や種、生態系は、それが失われると自然そのものが失われあるいは劣化してしまうのでとても重要です。人類以外の種もまた地球上の中で存在しある地位を占める権利があります。私たちは、どの生物種が生態系にとって不可欠であり、どの生物種が余分のものであるか、そしてどの生物種が世界の変化に適応できるのかを知りません。私たちが生物種をある生態系に導入したとき、その影響がただちに現れるわけではありません。ミコニア・カルベセンスのような侵入種は、生息環境を完全に変え、もともとの生物群集を非持続的なものにしてしまう可能性があります。

地球上の生物の多様性を守ることは、私たちの生命を維持するために最適な方法です。生物圏はセルフコントロールシステムを持った系であり、回復力をもったものであるということが知られています。しかし島嶼生態系のような隔離された生態系は、食物連鎖を支える植物、草食動物、肉食動物、分解者の数も少なく、侵入種に弱い生態系であるということがいえます。世界中の島々で、生物種はかつてない速度で絶滅していっています。本書に挙げたような外来侵入種が、その絶滅の原因になっています。

生物種のよりよい管理や生物学的侵入を防ぐための先駆的行動が世界の各地で実行されています。外来侵入種はいまや国際的な自然保護活動の関心を集め、国際侵入種プログラム(GISP)のような国際協力活動のテーマとなっています。侵入種に対する関心が高まるにつれて、人々や地域社会は子孫にひきつぐことができる選択肢についてさまざまな情報をえられるようになっています。

「世界の外来侵入種ワースト100」は、外来侵入種のおどろくべき複雑さと、悲劇的な結末を伝えるために作られました。侵入種は、以下の2つの基準に従って選ばれています。

  1. 生物の多様性および人間活動に対する深刻な影響
  2. 生物学的侵入をめぐる重要な事柄の表現

たくさんの事例をあげるため、一つの属からは一つの種だけを選びました。これ以外にもたくさんの侵入種がありますが、このリストに載っていないからといって、脅威が小さいというわけではありません。私たちは、侵入種に対する一般的な認識が高まることによって、将来の有害な侵入種の拡大を防止できればと願っています。

外来侵入種による生物多様性喪失防止のためのIUCNガイドライン(PDF:25ページ)