世界自然遺産
IUCNは、ユネスコの世界遺産委員会に対し、自然遺産に関し技術的な評価を下す公式な諮問機関の役割を持っています。世界遺産条約とIUCNの世界遺産に対する役割についてご紹介します。
世界遺産条約について

ヨセミテ国立公園(アメリカ合衆国)
世界遺産条約は1972年の第17回ユネスコの総会にて採択された、世界の文化遺産および自然遺産を保護するための国際条約です。世界遺産条約は、世界のすぐれて普遍的な価値をもつ文化ならびに自然遺産を認定し、国際協力のもとで保護することを求めています。世界遺産には、文化、自然、複合の各分野があり、それぞれの分野で普遍的な価値をもつ物件を評価し、選出した物件を条約にもとづいて作成される「世界遺産リスト」に登録しています。世界遺産リストに登録された遺産は、それぞれが人類全体のための世界遺産として認められたことになり、それらの遺産を人々が共同で保護していかなければならないとされています。世界遺産条約は、条約締約国から選出される21カ国の代表からなる「世界遺産委員会」により決定され、フランスのパリのユネスコ本部におかれている世界遺産の事務局のユネスコ世界遺産センターが支援しています。

武陵源の自然景観と歴史地区 (中国)
2008年4月現在、185カ国が締約国となり、851(660の文化遺産、166の自然遺産、25の複合遺産)の世界遺産がリストに登録されています。
日本は、1992年に125番目の国として世界遺産条約を批准しました。2008年4月現在、日本の自然遺産には、屋久島、白神山地(ともに1993年に登録)と知床(2005年に登録)が登録されています。
世界自然遺産に対するIUCNの役割
IUCNは、ユネスコの世界遺産委員会に対し、公式な諮問機関の役割を得ています。IUCNの世界保護地域委員会(WCPA)が中心となって、自然遺産に関し技術的な評価・調査をおこない、自然遺産の登録について助言します。締約国から推薦された遺産について、一人あるいは複数のWCPAメンバーやスタッフがフィールド調査をし、"すぐれて普遍的な価値"を持っていることを説明するため、他の類似の遺産と比較します。チームはまた、自然遺産の自然性や国内の保護制度を調査します。この仕事は、WCPAの世界遺産担当の副委員長が議長を務める運営委員会により監督されます。また、世界遺産に対する脅威をレポートし、開発のダメージからいくつかの遺産を救うため支援しています。
2007年7月までに、166の自然遺産が、記載されましたが、660の文化遺産に比べると少ないものでした。IUCNにより、支援を受けている世界遺産委員会は、世界遺産リストに記載された自然遺産の質だけではなく、真に効果的に保護されているかという主張を持つ厳しい立場をとっています。自然遺産は、社会の他の必要性との調和の上で、大きな価値を持ち、壊れやすいもろい生態系を持つ地域の管理方法に関するモデルとして理想的な場所です。
2004年に改訂された「世界遺産条約履行のための作業指針(Implementation Guideline)」は、自然遺産のカテゴリーを次の4つに整理しています。(画像をクリックすると拡大して表示されます)
(4)学術的・保全的視野から見て、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅のおそれのある種を含む、生物の多様性の野生状態における保全にとってもっとも重要な自然の生息生育地を包含すること。
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