NATURE POSITIVE
INITIATIVE(TBD)

ネイチャーポジティブイニシアチブ(仮)

生物多様性の危機的状況がこのまま続くと、100万種の生物が絶滅されると警告され、その影響は、世界GDPの半分に及ぶと言われています。人と自然の関りで生まれた文化や言語も失われ、未来世代の可能性がどんどん狭まっています。

このような危機に対して、国連生物多様性条約では「2030年までに、人と地球のために、生物多様性の損失を止め、反転させ、回復の道筋に載せる(Nature Positive for people and planet)」という野心的な目標とそのための行動(昆明モントリオール生物多様性世界枠組み)を196の国が約束し、あらゆる政府、あらゆる関係者に行動を呼びかけています。

これまで自然は、現役世代の集うで利用され、改変され、失うことを見過ごされてきました。このあらゆる社会の仕組みを変えるためには、

知り(Recognize)、守り(Retain)、回復させ(Restore)
そのことに 人・技術・資金を集め(Resource)
なにより、人と自然をつなぎ直す(Re-connect)が必要です。


© IUCN

自然を価値づけ、守る社会づくりをけん引してきたIUCNに加盟する日本のメンバーが呼びかけ人となって、ネイチャーポジティブイニシアチブ(仮)を作ります。キャンパスを通じて、ネイチャーポジティブに貢献したいというリーダーと共に、学びの機会づくり、保全や再生に必要な技術開発、自然を守ることに資金が融通される仕組み構築を目指し、日本からの「人と地球のためのネイチャーポジティブ」を目指します。

IUCNメンバーですら、解に至るピースを数多く持ってはいるものの、ネイチャーポジティブに至る道のりを持っていません。ネイチャーポジティブ宣言(J-GBF主唱予定)を出した団体・個人が、「ネイチャーポジティブリーダー」となり、ネイチャーポジティブイニシアチブ(仮)を盛り上げます。

ネイチャーポジティブリーダー

ネイチャーポジティブイニシアチブ(仮)では、4つの機能の構築をしたいと考えています。

FEATURE 1

ネイチャーポジティブ
スクール&ライブラリー

  • ネイチャーポジティブの実現のために必要な学びの機会・学び直しの機会
  • IUCN-Jメンバー等がネイチャーポジティブキュレーター(司書)となり、生物多様性の現状、保全のためのアクション、世界最新動向(生物多様性条約やIUCN等)の発信などを行います。
  • 対面、オンライン会議やウェビナー、各種レポートなども蓄積し、新しく入ったリーダーや、リーダー候補も利用できるライブラリーを構築します。
FEATURE 2

ネイチャーポジティブ
サークルズ

  • ネイチャーポジティブに寄与する様々なネットワークをつなぎます。
  • 30by30アライアンス、田んぼの生物文化多様性10年イニシアティブ、企業と生物多様性イニシアティブ、生物多様性自治体ネットワーク、小さな自然再生ネットワークなど、既存やこれから新たに生まれるだろうネットワークとの連携。
  • ネイチャーポジティブサークルでは、これらのネットワークの入り口を紹介しつつ、相互の情報が必要な時に見られ、時に交流する場を設けます。

※IUCN-Jメンバーやサークル運営組織が入力・アクセス権を共有するデータベースをIUCN―Jが保持、関係者連絡先を把握すると同時に、広報や事業提案に活用。

FEATURE 3

ネイチャーポジティブラボ

IUCN-Jメンバー等が中心となって、研究や技術開発、政策提言などを行う場を作ります。
現在想定しているラボ・テーマはネイチャーポジティブアプローチ。人と地球のためのネイチャーポジティブの定義・基準・指針等を検討し、「グリーンウォッシュ」をなくし、NGOも認めるネイチャーポジティブの中身を深めていきます。
地域の自然の状態・ポテンシャル・保全活動による変化を数的に測る評価手法。自然に根差した解決策(Nature-based Solutions)による社会課題解決効果(防災減災機能の上昇、地域の経済循環、自然がもたらす健康度)も図りたいと思っており、一緒に考えてくれる仲間を募集しています。
重要な自然やその特性を把握できている、適切な保全策を計画できているなど、ネイチャーポジティブに至るまでのステップを確認し、星をつけていくことで、ステップアップを図る道筋を描く方法論や認定(MRV)制度。自治体や企業、金融などあらゆるステークホルダーを対象とした制度が考えられます。認定料などビジネスとしても機能させていくようなノウハウの構築などについてもパートナーを募集しています。
資源動員戦略。本ネイチャーポジティブキャンパス構想の活動資金や、現場の自然を守る取り組みに必要な資金が回るようパイプライン(ドナーと受け手の相互の間に立ち、大きな資金を正しく無理なく回るよう取り持つ仕事)の事例を作りあげることが必要です。

FEATURE 4

キャンパスフェス

※IUCN-2年に1回程度、対面で集まり、交流し新たなビジネスパートナーシップが生まれる場を作ります。
フェスには、世界最前線で活動するゲストを呼び、IUCNや生物多様性条約、気候変動枠組み条約等世界の動きを知って、日本における活動底上げのヒントを探ります。

地球環境基金 - Japan Fund for Global Environment

本事業は、令和4年度地球環境基金の助成を受けて行われました。